東京高等裁判所 昭和43年(行ケ)8号 判決
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〔判決理由〕(審決を取り消すべき事由の有無について)
二 原告は、本件審決は、本件商標(登録第五五三、八二四号)と引用商標(登録第四九三、二九一号)とを称呼上類似の商標であるとした点において、判断を誤つた違法がある旨主張するが、原告の右主張は理由がないものといわざるをえない。すなわち、本件商標から生ずる称呼が「カミロン」であり、引用商標から生ずる自然的称呼が「ミカロン」であることは、原告の認めて争わないところであるが、これを対比するに、両者は共に四音から成り、語尾の「ロン」を共通にし、語頭の二音「カ」と「ミ」とが相互に置きかえられた関係にあるものであることが明らかであるところ、本件商標の語頭音「カ」と引用商標の語頭音「ミ」とは、それ自体音感を異にすることはいうまでもないが、両商標を一連に称呼する場合、両者は、その構成において、上述のとおり、共通の四音から成り、単に語頭の二音の順序が入れかつたにすぎず、ことに語尾が「ロン」をもつて終るため、その語尾部分の「ロン」が強く印象づけられる結果、両者の全体的語調語感が近似し、直感的には、彼此そのいずれであるかを区別しがたい程度に、互いに相紛わしいものであることが、経験則上明らかである。両者のアクセントを語頭におくか語尾におくかによつて異なるところがないこと及び本件商標及び引用商標の指定商品である石鹸の類については、取引者、需要者が、他の商品に比し特段の注意を払つて取引するものであるが故に、両商標について右の程度の称呼上の差異があれば、相紛れるおそれがないと断じえないことは、また経験則に照らし明らかなところであり、これと見るところを異にする原告の主張は、これを肯認するに足る証拠資料を欠き、到底採用しがたいところである。したがつて、本件商標と引用商標とは、称呼上類似の商標であるとした本件審決の判断は正当であり、これを違法とすることはできない。
(むすび)
三、以上のとおりであるから、その主張のような違法のあることを理由に、本件審決の取消を求める原告の本訴請求は、理由がないものというほかはない。よつて、これを棄却する。(三宅正雄 荒木秀一 石沢健)